流通販促の変化とラウンダー組織の変化
消費が右肩上がりだった時代には、チラシに合わせて店舗へ商品送り込みがあり、送り込まれた商品をラウンダーが陳列サポートしたように、多くのメーカーが店頭の売場立ち上げ、露出による売上最大化を図っていました。
しかし、ここ数年の変化として、Web広告の発達、流通販促の変化により、商品の本部送り込みは減少、店舗客層に合わせた品揃えが進み、ラウンダー体制も多様な店頭販促に対応する柔軟性が必要になっていきました。
加えて、コロナ禍を経た新たな動きとして、ラウンダー組織を見直し少人数化したり、ラウンダー採用難によりラウンダー組織を縮小する流れが出てきています。
ラウンダー縮小により、店舗カバレッジは減少するため、従来のラウンダー体制に比べチャンスロスが発生しやすくなっている現状から、mitorizでは限られたリソースで最大効果を出すために店舗従業員の活用=店舗従業員のファン化が重要になると考えています。
店舗従業員のファン化が重要な理由とは?
スマートフォンの普及により消費者は時間と場所を選ばず瞬時に情報にアクセスが可能となり、SNSも大きく普及しました。
それにより、ECでの商品購入や商品特徴や評価(評価サイトや口コミ)の情報収集が一般化し、消費者が情報強者になるなど、消費行動に大きな変化をもたらしました。
しかし、商品購入における店頭売場は引き続き非常に重要とmitorizでは考えています。
それを裏付けるデータとして、以下の図のように、日本の食品におけるEC化率は2021年に3.77%と低く、95%以上がリアル店舗での購入となっています。
また、非計画購買率は76%、店内購買決定率にいたっては92%と購買プロセスのほとんどが店内で行われている現状に依然として変わりません。
【 消 費 者 の 商 品 購 入 の 決 め 方 】
また、当社会員を対象とした「お得にお買い物するために情報収集・活用するもので、当てはまるものをそれぞれ教えてください」というアンケートでは、店頭店内POPが最も多く、いまだに店頭店内POPが消費者への情報提供に有効になっていることが見て取れます。
【消費者アンケート ~買い物の際に情報収集・活用するもの~】
さらに、「店頭店内POPで気になる、興味を引くものを選択してください」というアンケートでは、店舗作成POPが約3割と店舗作成POPが消費者の興味を引くツールとなっています。
また「購入する際に、購入の参考にしているものをすべて選択してください」というアンケートでは、店舗従業員のおすすめが46%と、店頭店内POPに次いで多く、店舗従業員からの推奨は購買行動の大きなきっかけになっていることがわかります。
このようなアンケート結果からも、スマホの普及により消費行動が変化したと言われる現在においても、店頭、店舗従業員の接客に加えて、店舗従業員に商品の良さを知ってもらいファンになってもらうこと=店舗従業員のファン化が、今後も重要だと考えています。
また、ファン化の効果として、
・店舗従業員による売場拡大、販促物作成
・消費者接客時の商品推奨
・店舗従業員による早期売り場作り
・優先発注によるチャンスロス防止
などの効果が見込め、ラウンダー組織が縮小する中でも最も費用対効果高く売場強化が可能になると考えられます。
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本コラムは11月22日に実施したウェビナー
「店員のファン化による推奨度強化」の抜粋テキストです。
本編では、各メーカーの具体的な取り組み事例や、店頭での推奨状況を定量的に可視化し、ラウンダー活動による改善に取り組んだ事例を紹介しています。
本編は動画にてご覧ください。
ウェビナー動画はこちら