報道関係各位 プレスリリース
株式会社mitoriz
2021年8月24日
DgS公式アプリ利用率が高いチェーンは「スギ薬局」
秘訣は「クーポン施策」と「健康サポート」
ドラッグストア公式アプリ 利用者意識調査
フィールド・クラウドソーシング事業を展開する株式会社mitoriz(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、全国のアンケートモニター(以下、POB会員)から月間1100万枚のレシートを収集する国内最大規模の(提携サイト含める)、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of BuyⓇ(以下、POBデータ)」を活用し、生活者の購買行動を分析しています。
新型コロナウイルスの感染拡大により、店舗や販促の在り方が変化し、消費者も感染予防の観点から、買い物を短時間・まとめ買いの傾向が強まり、事前にクーポンやデジタルチラシなどの販促を活用し、購入する商品を決めて計画購買する人が増えています。また、CRM(顧客関係管理)の強化につながる施策として、小売りチェーンのアプリ活用が進んでいます。
今回はドラッグストア(以下、DgS)におけるアプリ活用を明らかにすべく、全国のPOB会員に対し、「DgSのアプリ活用に関する調査」を実施しました。アンケートの対象者は、「普段メーン利用するDgSチェーン」が、公式アプリをリリースする「ウエルシア(855人)」「サンドラッグ(738人)」「マツモトキヨシ(659人)」「スギ薬局(628人)」「ツルハドラッグ(327人)」「ココカラファイン(277人)」「クリエイトSD(235人)」「コスモス(202人)」8チェーンのうち、いずれかであると回答した3921人です。
※()内人数はメーン利用すると回答した人、調査期間は2021年7月7日~12日の6日間
アンケートでは、最初にアプリ活用が進んでいるチェーンを探るべく、メーン利用するDgSチェーンの公式アプリ利用経験を調査しました。
図表1は、公式アプリをリリースするDgS8チェーンのメーン利用者のうち、当該DgS公式アプリを「現在利用中である」と回答した人の割合が高い順に並べたものです。
POB会員は、日ごろからレシートを投稿してポイントを貯めることが習慣化しているためDgSアプリのポイントカードを利用する人も多く一般的な数値よりも高い傾向があることが考えられますが、調査対象の8チェーンのメーン利用者が「当該DgSチェーン公式アプリ利用中である」と回答した人の割合は、平均で5割を越えました(57.5%)。
公式アプリを「現在利用中である」と回答した人の割合がもっとも高いチェーンは、「スギ薬局(79.8%、N=628人)」で、メーン利用者のおよそ8割がアプリを現在利用しています。
8チェーン平均(57.5%)を上回ったのは、「ココカラファイン(66.1%、N=277人)」、「マツモトキヨシ(66.0%、N=659人)」、「ツルハドラッグ(63.0%、N=327人)」、「ウエルア(62.7%、N=855人)」、「サンドラッグ(57.6%、N=738人)」の5チェーンとなりました。
一方で、8チェーン平均を下回った「クリエイトSD(43.0%、N=235人)」は、リリース時期が2019年3月と比較的新しいことが理由として考えられますが、アプリ内のポイントカードは電子マネー付で(おさいふHippo)事前に現金をチャージしておけばアプリから決済できる点や、チャージによるボーナスポイントが獲得できるメリットもあり、これから利用者を拡大していくことが予想されます。
また、「コスモス(22.3%、N=202人)」の利用率をみると、「毎日安い(Everyday Low Price)」による現金販売でポイント戦略をとらないチェーンが、アプリ利用者の獲得と利用促進を図るには、大きな課題があると思われます。
次からは、DgSメーン利用者のうち、当該チェーンの公式アプリ利用者(「現在利用中」および「利用経験があるが現在は利用なし」 を含む人)の割合が高い上位5チェーン「スギ薬局(83.3%)」、「ココカラファイン(71.5%)」、「マツモトキヨシ(71.5%)」「ウエルシア(68.1%)」、「ツルハドラッグ(65.7%)」をセレクトして、どのような施策やきかっけがアプリ利用につながったのかみていきます。※()内は、メーン利用者に占める当該DgSチェーン公式アプリ利用経験者の割合、図表はアプリ利用者の高いチェーン順、上位4回答まで抜粋。
アプリ利用のきかっけについて5チェーンの平均値は、「会員証/ポイントカード連携(45.0%)」や、「店頭での告知(41.7%)」が半数近くとなり、それに次ぐ「アプリ限定クーポン(28.5%)」や「初回特典(21.4%)」を上回りました。
チェーン別では、「ウエルシア」が、アプリ利用経験者582人のうち、「会員証/ポイントカード連携(48.6%)」がもっとも回答率が高く、その背景として、ウエルシア利用者の間で広がる “ウエル活(毎月20日にTポイントを利用して1.5倍の買い物ができるサービスを利用すること)”の広がりにより、「アプリのモバイルTカードだと付与されるポイントの倍率が高くなるから(神奈川県60代男性)」といった、アプリを活用して効率的にポイントを貯めるといった人が多くみられました。
また、「マツモトキヨシ」は、アプリ利用経験者471人のうち、およそ4割が「アプリ限定クーポン(36.1%)」と回答し、5チェーン平均値を(+7.6pt)上回りました。「毎月もらえる10%OFFクーポンのほか、クーポンが当たるくじが毎日引けて高確率で当たる(大阪府40代男性)」、「クーポンはオンラインと店頭共通で使える(東京都50代女性)」といった、マツキヨルーレットや、クーポンの使いやすさが、アプリ利用者の獲得につながっていることがわかります。
そして、今回アプリ利用率が8割を越えた「スギ薬局」は、「初回ダウンロード特典(31.0%)」で、5チェーン平均値を(9.6pt)上回りました。アプリダウン後のクーポン画面では、「10%OFFクーポン(割引・除外品を除く全品)」「100ポイントプレゼント(店内商品やアプリ掲載商品と交換できる)」といった特典のほか、購買意欲を促進するような、複数カテゴリーのクーポンがすでに配信されていました。
次に、アプリで利用する機能について5チェーンの平均値は、「クーポン(90.3%)」となり、ほとんどの人が利用していました。クーポンには、「多くの商品に適応される割引クーポン(例:一部商品を除きお好きな商品1品10%OFF)」、「特定商品の割引クーポン(例:対象のおむつ1点500円引き・10%引きなど)」、「特定商品購入でポイントがもらえる(例:対象のシャンプー1点購入ごとに150p進呈)」といった種類が、各チェーンのアプリから確認できました。
中でも「スギ薬局」は、アプリ利用経験者523人のうち、「クーポン(94.3%)」の回答率がもっとも高く、配信クーポンの種類が「特定商品の割引」が多く消費者がお得感を感じやす点や、「使いたいクーポンがレジでみつからないときがある」といった不満が挙がった中、スギ薬局のクーポンは、カテゴリー別に大きな画像でクーポンを一覧でみることが、回答率の高さにつながっていることがうかがえます。
その一方で、クーポン利用時の不満として、「ポイントカード機能とクーポンを別々に開かないとないといけない(愛知県50代男性)」といった声は、チェーン関わらずアプリ利用者から多く挙がり、会計時の操作性の向上には課題がありそうです。
他に利用する機能としては、「会員証/ポイントカード(5チェーン平均52.4%)」となり、特に「ツルハドラッグ」は、アプリ利用経験者の215人のうち、およそ6割が「会員証/ポイントカード(59.1%)」を挙げ、「ツルハのポイントカードだけではなく、楽天ポイントカードの連携もできていて、アプリを変えることなくバーコードを表示できるので便利(北海道50代男性)」といった声が多く、1つのアプリで双方のポイントがたまるメリットや、利便性が評価されていました。
また、「キャンペーン告知/参加(5チェーン平均15.4%)」においては、「プレゼントキャンペーンやモニター応募に参加する(青森県40代女性)」、「店頭ではあまり意識していないキャンペーンのお知らせが掲載されて、対象商品購入のきっかけになる(千葉県30代女性))」といった声があり、アプリからの情報の質と頻度を高めることが、コロナ禍で貴重な店頭接点を生み出し、チェーンとの関係性が深まっていることが推測できます。
次に、各チェーンのメーン利用者のうち、公式アプリの利用を継続していると回答した人「スギ薬局(501人)」、「マツモトキヨシ(435人)」、「ココカラファイン(183人)」、「ウエルシア(536人)」、「ツルハドラッグ(206人)」に、利用期間を調査しました。
※並びは公式アプリのリリース時期順
まず、各チェーン公式アプリのリリース時期を述べると、「スギ薬局(2014年4月)」、「マツモトキヨシ(2014年8月)」、「ココカラファイン(2016年5月)」、「ウエルシア(2016年9月)※ウエルシアHD公式アプリ」、「ツルハドラッグ(2019年11月)※ツルハHD傘下のDgSチェーン全ブランド公式アプリ」となります。ここでは、「コロナ禍で新規利用者を獲得できたか」、「長期間にわたり継続利用されているか」をポイントにみてみましょう。
まず、14年リリース「スギ薬局」と「マツモトキヨシ」における、公式アプリ「2年未満」の利用者を比較すると、「スギ薬局(62.6%)」、「マツモトキヨシ(43.7%)」となり、スギ薬局が(+18.9pt)上回りました。その理由としては、前出の初回特典やクーポン施策の他、19年リリースの株式会社Mediplatと共同で運営するトータルセルフケアサービス「スギサポ」シリーズ(※)が好調であることが挙げられます。
中でも「スギサポwalk」は、「スギサポwalkの質問回答でポイントをためている(兵庫県30代女性)」、「スギ薬局へ来店した時に、チェックインでポイントをためている(京都府50代男性)」など、アプリで来店促進にもつながる「楽しさやお得さ」を提供し、昨年8月に累計100万ダウンロードを達成するなど、コロナ禍で健康意識が高まる中で、消費者にフィットしたと言えそうです。
※スギサポシリーズは、毎日の「食べる」「歩く」などの日常行為を中心に、楽しくお得に健康をサポートし、「スギサポwalk」の他、管理栄養士が監修した食事を冷凍便で届ける「スギサポdeli」、アプリを活用して食事管理をする「スギサポeats」の3つのサービス
一方、「4年以上」の利用者を比較すると、「マツモトキヨシ(26.4%)」、「スギ薬局(11.6%)」となり、マツモトキヨシが(+14.9pt)上回り、その理由としては、早くからデジタル戦略に注力する企業としてアプリの充実度が挙げられます。まず、処方せん送信機能は、「処方せんが医院からすぐ送信でき調剤の待ち時間が短縮できる上、ポイントもついてお得(千葉県60代男性)」といった、シニア世代からのコメントが一定数みられたため、機能の使いやすさがうかがえます。他にも、アプリから「商品の店頭在庫状況や店頭価格の確認」や、店頭でアプリから「商品バーコードを読み込むと商品情報やレビュー閲覧ができる」点など、オムニチャネルの構築により、利用シーンに応じた生活に密着するアプリに進化したことが、アプリ利用者の4人に1人が、4年以上の長期間にわたり継続利用する「ロイヤルカスタマー」の育成に寄与していると考えられます。
次に、2016年リリースの「ココカラファイン」と「ウエルシア」を比較すると、「1年~4年未満」の利用者割合は、それぞれ1~2%程度しか差がなかったものの、「4年以上」の利用者は、「ココカラファイン(14.2%)」、「ウエルシア(8.8%)」となり、ココカラファインが(+5.4pt)上回り、楽しく継続利用を促す「店舗チェックインや、スクラッチなどでポイントが貯まる」などといった、コメントが書かれていました。そして、5チェーン中もっとも新しい2019年リリースの「ツルハドラッグ」は、およそ6割が「1年未満(57.3%)」となり、直近1年間での利用者を大きく伸ばしています。
今までの調査結果から、チェーンが公式アプリ活用を促進していく上で、「会員証/ポイントカードのデジタル化」は、いつも持ち歩くスマホでカードの提示やポイント確認ができるため、必要不可欠な要素であることがわかりました。また、「クーポン配信」は、顧客接点を増やす施策として効果的ですが、当たり前のながら、顧客目線での使いやすさや、ストレスフリーな操作性が重要視されます。
また、アプリ利用を辞めた人からは、「クーポン→会員証を出して、支払いはPayPayとなると、レジで時間がかかる」、「チェーンのポイントではなく、共通ポイントを貯めるようになった」といった声もありました。流動的な顧客ニーズやトレンドを察知し、機能の見直しや追加をしながら、メリットを実感できるアプリを目指すことや、「アプリはポイントカードとして、チラシやクーポンはLINEで確認」といった声もみられ、消費者が「簡単で便利」といった部分を、常に追求したデジタル戦略が、新たな顧客接点を増やす上で重要であると言えるでしょう。
参考)各DgSチェーン公式アプリについて(並びはアプリリリース順)
〇POBアンケート調査概要(平均年齢53歳、関東エリア在住者が半数)
調査期間:2021年7月7日~12日
インターネットリサーチ:公式アプリをリリースするDgSチェーン、「ウエルシア(855人)」「サンドラッグ(738人)」「マツモトキヨシ(659人)」「スギ薬局(628人)」「ツルハドラッグ(327人)」「ココカラファイン(277人)」「クリエイトSD(235人)」「コスモス(202人)」8チェーンのいずれかをメーン利用する3921人
【報道関係お問い合わせ先】
株式会社mitoriz 広報担当 石井(いしい)/ 山室(やまむろ)
TEL:03-6328-3883 FAX:03-6328-3631 MAIL: press@mitoriz.co.jp
関連)コロナ禍における生活意識・行動変化レポート一覧
https://www.sbfield.co.jp/category/case-study/
■ サービス詳細参照ページ
「マルチプルID-POS購買理由データPoint of BuyⓇ」
https://www.sbfield.co.jp/multi-idpos
Point of BuyⓇデータベースは、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データです。
同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く” 企業・メーカーに提供します。
集計対象は、消費財カテゴリ68種類 約6,000ブランド、飲食利用カテゴリ10種類約200チェーン(2018年1月現在)。全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されています。
■当事業の特長:
- 日本初のレシートによる購買証明付き購買理由データ
- 「セゾンポイントモール」会員と、「Ponta Web」会員、「履歴書情報」のある当社登録会員「キャスト」で構成された約80万人
人のネットワークに基づく本人認証度の高いデータを提供
- 700企業以上のチェーン情報を公開
- ビジネスモデル特許による全チェーン共通オリジナルブランドマスター(※JICFS/IFDBベース)を生成 詳細はこちら https://www.sbfield.co.jp/press/20170222-10722
※JICFS/IFDB:JANコード統合商品データベース (一財)流通システム開発センター
【株式会社mitoriz】
株式会社mitorizは、ソフトブレーン株式会社(本社:東京都中央区、設立年月日:1992年6月17日、代表取締役社長:豊田浩文)のグループ会社として2004年7月に設立(ソフトブレーン・フィールド株式会社)。2022年1月1日に、ソフトブレーン・フィールド株式会社から株式会社mitorizに社名変更。全国の主婦を中心とした10万人を超える登録スタッフネットワークを活用し、北海道から沖縄まで全国のドラッグストアやスーパー、コンビニ、専門店など222,828店舗以上をカバーし、営業支援(ラウンダー)や市場調査(ミステリーショッパー、店頭調査など)を実施しています。キャスト・データ・ネットワークを活⽤して、新たなつながりを創出し、⼈やモノの潜在価値を顕在化し、社会に新たな価値を提供します。そして、社会課題をビジネスを通じて解決し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
本社所在地 :東京都港区赤坂3-5-2 サンヨー赤坂ビル5階
設 立 :2004 年7 月 / 資本金 :151,499,329円
代表取締役社長 :木名瀬 博
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